「宮沢賢治は本当にジャズを聴いていた。」と証言してくれたジャズ批評・瀬川昌久さんに哀悼!

新年あけましておめでとうございます。

 新しい年を迎えましたが、年末に訃報の記事に目が止まりました。

ミュージカルやジャズ音楽評論家の長老、瀬川昌久さんが暮れの29日肺炎で死去されました。97歳でした。ご冥福をお祈りいたします。

 瀬川さんと出会ったのは、5年ほど前、日本ルイ・アームストロング協会を通じてでした。私が制作した宮沢賢治が聴いたSPレコード復刻CD「ジャズ 夏のはなしです」を送って聴いていただいたのがきっかけでした。このCDには賢治が:聴いたと思われているシカゴ・ベンソン・オーケストラのThe Cats Whiskers が入っています。この曲は賢治作品「ポランの広場」の中で、山猫博士が楽団に向かって「おいおいそいつではなしにキャッツ ホヰスカー をやってもらいたいなあ。」として登場します。瀬川さんはこのCDを聴いて返事のお手紙をくださいました。その中で宮沢賢治は本当にジャズを聴いていた。」と証言してくださいました。

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 その後、一二度やり取りすることがありましたが、病気で臥せることが多くなり、公の席にもお顔を出すことも少なくなっておりました。

 50年代にはニューヨークに住まわれ、デューク・エリントンなど当時のジャズの現場を見てきた貴重な存在でもありました。残念です。

 私が今編纂中の文章の中に、瀬川さんの著書「ジャズで踊って 舶来音楽芸能史」から文章を引用させていただいております。感謝とともに改めてご冥福をお祈りいたします。