2019-01-01から1年間の記事一覧

賢治とタイタニック号沈没事件

「銀河鉄道の夜」と塩竈・・・というタイトルがついた「NPOみなとしおがま」という団体が編纂した興味深い冊子がある。賢治が15歳の時の修学旅行で訪れた塩竈でのできごとなどが、「銀河鉄道の夜」の中に描かれている内容のモチーフになっているという事につ…

CD 「宮沢賢治が出会ったクラシック・あらかると」にまつわるおはなし 続き

前回のブログの中で「蓄音機による演奏を30分の間に5曲も、それも交響曲を4曲聴いた」とありました。その可能性について、当時は曲のおいしい部分だけをそれぞれA面、B面に収めたSP盤が結構出まわていたと書きました。 その5曲を探していたわけですが、中で…

CD 宮沢賢治の作品に関わる『賢治が出会ったがクラシック・あらかると』 

CD宮沢賢治の作品に関わる『賢治が出会ったがクラシック・あらかると』は、このシリーズ第3弾で2018年9月にリリースされました。 ●収録曲 1、チャイコフスキー交響曲第4番(第4楽章)/ Karl Muck W/ Boston Symphony Orch. ・・・「陽ざしとかれくさ」…

賢治とタイタニック号沈没事件

「タイタニック号沈没」事件は、賢治が15歳の盛岡中学四年生の1912年4月14日に起きました。その年の5月27日から29日、修学旅行で塩竈を訪れました。石巻で一泊後、翌10時ごろ石巻を船で出発、11時30分、松島に到着、瑞巌寺など見物後、…

CD 心象スケッチ『春と修羅』~宮沢賢治が聴いたクラシック から 続編

前回の更新からかなりの時間が経ってしまいました。 「心象スケッチ『春と修羅』~宮沢賢治が聴いたクラシック」のアルバムについて再びお話ししましょう。 『春と修羅』に収められた詩の数は相当の数ですが、その中に登場、あるいは関わり合いのある音楽の…

【割込み情報】SPレコードの復刻録音で聴くCD「宮沢賢治と音楽」 第4作 発売!

SPレコードの復刻録音で聴く、宮沢賢治、追想に基づくクラシック Samādhiサマディ ・・・ともかく私共は顔を見ればレコードをかけ、それからいろんな冗談ばかり言い合っていたものだから、 まあ早く言えば、半生をレコードを介して一しょに旅行をしていたも…

宮沢賢治と音楽 CD第2弾「心象スケッチ『春と修羅』」

心象スケッチ『春と修羅』~宮沢賢治が聴いたクラシック 宮沢賢治と音楽について、“賢治の詩にジャズという言葉が”という事件?がきっかけとなり、どんどん調べていくうちにその深みは底が見えない。とうとう日頃あまり聴かないクラシックの世界へ。 賢治の…

CD「ジャズ 夏のはなしです」収録曲について その4

CD「ジャズ 夏のはなしです」より 今回は次の2曲について ⑨ Soldier's Chorus 兵士の合唱・ 歌劇「ファアスト」 より ( C.F.Gounod ) / Victor Male Chorus ・・・・・歌曲「角礫行進歌」 ⑩ It's A Long Way to Tippiirery ティッペラリー ( J・Judge …

CD「ジャズ 夏のはなしです」収録曲について その3

さて、今回は童話「セロ弾きのゴーシュ」に登場する曲についてスポットを当ててみます。CDに収録した曲は M7 Livery Stable Blues (邦題「馬小屋のブルース」)とM8 Hunting Tigers out in "India"(yah)(印度の虎狩り?)。 物語の順番からいくと、ゴーシュ…

CD「ジャズ 夏のはなしです」収録曲について その2

童話「ポラーノの広場」、戯曲「ポランの広場」に登場する2曲。 「ポラーノ・・・」ではミーロが、「ポラン・・・」では牧者が歌う ♪ 牧者の歌。 もう1曲は山猫博士とファゼーロが歌う ♪ ポラーノの広場の歌(つめくさの花の咲く晩に)。 ♪ 牧者の歌 の元…

CD “ジャズ 夏のはなしです” の収録曲について

CD“ジャズ 夏のはなしです” ~宮沢賢治が出会った洋楽はやり歌・ジャズ~ 2017年8月発売 曲目 ① Gavott ガボット (Jean Becker) / 鈴木鎮一 (ヴァイオリン) ・・・・・詩「岩手軽便鉄道 7月ジャズ」 ② Hacienda-The Society Tango アシェンダ (Paul B…

”ジャズ 夏のはなしです”~宮沢賢治が出会った洋楽はやり歌・ジャズ~

賢治が詩「岩手軽便鉄道 7月ジャズ」を読むときに使った曲「ガボット/鈴木鎮一」のSPレコードが手に入った。これを蓄音機で再生し、実際に詩を読んでみる。 詩を相当読み込んでいないととてもテンポに追いつかない。何度も何度もチャレンジしているうちに、…

Gavott/ Jean Becker とはどんな曲?

宮沢賢治が「岩手軽便鉄道 7月ジャズ」の詩を読むときに、そのバックグラウンドミュージックとして使ったというメモ書きに残されている Gavott/ Jean Becker とはどんな曲なのか? 当然、ディキシーランド・ジャズか何か、ジャズ風の曲を期待していたのです…

「賢治がいつどこでジャズに出会ったか」という命題について

「ジャズ 夏のはなしです」1926年(大正15年)と、その改稿未完の 「岩手軽便鉄道 七月(ジャズ)」。 興味の始まりは“ジャズ”という言葉が出てくるこの詩につきます。 賢治はクラシック・レコードの収集家で知られていて、ベートーベンからストラビンスキー…

「賢治とジャズ」の背景

賢治とジャズとの出会い 火薬と紙幣 1923,9,30 『春と修羅』/風景とオルゴール 萓の穂は赤くならび 雲はカシユガル産の苹果の果肉よりもつめたい 鳥は一ぺんに飛びあがつて ラツグの音譜をばら撒きだ 古枕木を灼いてこさえた 黒い保線小屋の秋の中では 四面…

Destupargo 自己紹介

Destupargo デステゥパーゴ 日本名は山猫博士。 宮沢賢治さんの戯曲「ポランの広場」ので中で、ファゼロと決闘の末脇腹をナイフで突かれ退散。実はあの時は事業に失敗し、むしゃくしゃしていてあんなことになってしまいました。その後、センダードに移り住み…